ゆらめく資産の記録

時給n円の人がt時間なにかをしたらn×t円の価値?

仕事以外の何かの作業の値段を計算するやつがあります。「時給1000円の人が毎日30分家の掃除をしたら月額で15000円!」みたいなやつです。こういうのを僕は相手にしていません。ロジックがおかしいからです。

何かに値札を貼るのは自由ですが、買い手が不在ならそれは経済活動とは呼べません。その人が誰かの家を掃除したら15000円もらえる(=買い手が居る)んでしょうか? また、その人の家の掃除を誰かにやってもらうにはハウスキーパーを頼むことになるでしょうが、その価格はその人の時給ではなくハウスキーパー会社のつけた値札で決まります。「この清掃業者に頼むと30分10000円で掃除してくれる!」というのならわかります。また「時給1000円の人が30分働くと500円!」というのもわかります。しかし両者は単位が同じなだけで可換ではありません。

また、時間とお金は為替のように随意に交換できるものでもありません。毎日30分の掃除をサボれば1ヶ月で15000円手に入るんでしょうか? 今から帰宅して30分間掃除をするか、30分残業して残業代をもらうか、というような判断が可能なこともあるかもしれませんが、それは残業代ゲットの権利を行使する(残業する)か、行使しない(残業しない)かという話に過ぎず、行使しなければ残業代がもらえないというだけです。「30分あれば残業ができる」「残業すると残業代がもらえる」という話であり、30分残業したあと30分掃除してもいいし、残業も掃除もしなくてもいい。残業と掃除に限らず、時間があれば入浴だったり自炊だったりウォーキングだったり趣味だったり睡眠だったり副業だったりができます。この、時間を作業に変換できる性質はお金にも似ていますが、お金と時間の為替市場が存在するわけではないので、基本的には時間は時間、お金はお金で考えるのが適切かと思います。まれに時間とお金の両替チャンスが存在するに過ぎませんし、為替レートはその都度変わります。

業務の一部を外注するかどうか考える際にはまあまあ有効かもしれませんが、