Yahoo FinanceによるVanguardのETFの設定来推移
開始日が違うので10年経ってないやつもあるけどだいたいの比較はできる。
始まってから今まででプラスになってるのは以下の5つ
- +107.28% VTI (CRSP USトータル・マーケット)
- +98.53% VOO (S&P 500)
- +48.42% VWO (FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)、ただし2013年にMSCIエマージングから変更)
- +23.72% VT (FTSEグローバル・オールキャップ)
- +19.55% VPL FTSEアジアパシフィック先進国オールキャップ・インデックス
マイナスなのは以下の4つ
- -3.39% VGK (FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス)
- -8.64% VXUS (FTSEグローバル・オールキャップ(除く米国))
- -16.60% VEU (FTSEオールワールド(除く米国)インデックス)
- -23.38% VEA (FTSE先進国オールキャップ(除く米国))
ここからわかることとしては、
- 米国つよい
- VTIは「米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしています」とのこと
- VWO思ったより強い
- リーマンショック後のピークは2011年3月末で以後下降気味
- ピーク以後しか知らないので新興国株はぱっとしないという印象を持っていた
- ほぼ中国パワー?
- トランプ勝利後、VWOが下がったぶんVTIが上がってるように見える
- VPL(=58.2%が日本)がけっこう健闘してる
- 欧州のほうが日本より低パフォーマンスに見える
- VEA(=米国以外の先進国連合)が最低の成績
- VEU(=たぶんVXUSに小型株も組み込んだもの)がその次に弱い
- VXUS(=VTから米国株を引いたもの)がその次に弱い
- 米国つよい
- だいたいみんな同じタイミングで下落して同じタイミングで上昇してる
- 上下幅の違い(=ボラティリティの高低)があるだけで形は似てる
- 米国抜きだと伸びたのはVWOとVPLのみ
- ※VTは米国の寄与がないとVXUSと同じ
そんなわけで直近10年ほどは米国と新興国(中国?)が圧倒的に強い期間でした。アジア・パシフィック界隈の先進国は健闘はしているが伸び悩み中、欧州はぱっとしない、新興国はとにかくボラティリティが高い。全部平均してVTで見るとプラスにはなっているがほぼ米国パワーの賜物であり、それがなければマイナス、という感じです。
所感
トランプがめちゃくちゃするとかして米国株に対する失望が広がれば別のクラスが台頭することもあるかもしれませんが、個人的にはちょっと考えにくいですね。2017年も米国が強いだろうと思います。2016年の価格と比較して上がるか下がるかはわかりませんが……。
VWO(新興国)は2008〜2011年の貯金を徐々に切り崩しているような形なので、何かのきっかけで復活するかもしれませんが、このまま推移するようなら今後は暗いでしょう。暴騰と暴落を繰り返しており、どちらもないときはゆるやかに右肩下がりのように見えるためスリリングではあります。うまく暴騰時に売り抜けられれば良さそうですが、長期でホールドするには暴騰頼みになりそうで、ちょっと危うい感じもあります。
VPL(アジア・パシフィック)は完全にノーマークでしたが、成績を見る限り悪くない選択肢です。数字だけ見ればVTとほぼ同じですが、VTは米国の上昇を他のクラスが押し下げているだけなのに対し、VPLは米国株に頼らず自力でプラスになっているわけでニュアンスが違います。直近では伸び悩んでいるものの、米国勢に次ぐ堅調さといえるかもしれません(差がありすぎてピンと来ませんが)。
VGK(欧州)はVPLに劣後する形で推移しています。Brexitやら銀行の危機やら下がる要因が多いためだろうと思います。VWOとは逆で、何もなければ右肩上がりになるんじゃないかなあという気がするので、悪材料が出尽くせばじわじわ上がっていくこともあるのかもしれません。出尽くしたころには崩壊している可能性もありますが。
そういうわけで、個人的にはまだ安定に入るよりは攻めていきたいこともあり、購入候補になるのはVTIかVOO、VPL、もしかしたらVWOといったあたりになるだろうと思います。